KAPL11月の企画展「みるをみる!Ⅱ」が、去る11月29日に終了いたしました。
以下、展覧会レポートです!
みるをみる!展オープン。2日間、晴れた暖かい日でした。
最初に、オープン早々、ちいさなお客様が。
中に入って、作品鑑賞。特に二人はこの作品が気になるようで、
なんだろうこれ、と言いながらよく見ています。
次は、ふきだし選び。作品のイメージにぴったりのふきだしの形をみつけて・・・
ふきだしの中に作品の感想をかきます。
そして、作品の近くに、ぺた!
「にじみたい」と書いたあと、「雲の上のアーチ」というふきだしをみて、「なみだ」「なみだがふってきた」と更に新しいふきだしをつけました。
一緒に貼ったおにいちゃんのふきだしは、「いもむしのたいぐんだ!!」
お互い、「え~!!」と言い合っていました。
さくひんを「みる」、「みる」をのこす、それをまた誰かが「みる」。
ふきだしやオノマトペ(擬音語、擬態語)、顔文字が時間が経つにつれ増えていきました。
そして、展覧会終了後には、86個の『みる』が残りました。
<一番上の作品>
・落ち葉みたいです・秋!・あったかそう
・ガサッ!・キラッ☆・カサカサ・チンチロリン
・はっぱの下に何がいるのかな!?のぞいてみよっかな?
・たぬきかな・きつねかな
<上から2番目の作品>
・ごわごわ・ドド…
・影がかっこいい!影馬が生きてるみたい
・天馬ちゃん
・私についてきなさい!・待って待って!
・さぁ第3コーナーをまわった!各馬一斉に・・・・
・頭の中のこんがらがった形・・・私の思考も、こんなふうに外に出て羽ばたいていってくれれば・・・
<上から3番目の作品>
・あつい・・ドロドロ・ニョローン・たましい・でろ・・・
・夜の海を人が泳いでる・花が育ってる
・水の上におとした絵の具のひとしずく
・ナルニア国にきたみたい!・青春
<上から4番目の作品>
・ポワポワ・ズムズム・もふっ・もにょにょ
・ぼこぼこ壁から出てきてるみたい
・もこもこしたいもむし・いもむしのたいぐんだ!・いもむしストラップ・シロアリのたまご
・いなかのかいこを思い出します・繭みたい・にんじんのおかしを思い出しました
・にじみたい・なみだ・なみだがふってきた・星が生まれる・雲の上のアーチ
・私は本当は人間なんだ!再生してやる!
・野球ボールの絵・模写した絵
また、レセプションでは、様々な「みる」を体験しました。
まずは、集まった人達と鑑賞会を行いました。
壁に残っている「みる」と共通したイメージや、それをきっかけに広がったり、
それを超えた深いイメージが対話の中から飛び出しました。
次に、鈴木健一郎によるギターライブ。
展覧会の、「みる」が重なっていくイメージをもとに即興で演奏。
「風のようだった」「夕方の草原を走っているみたいだった」との感想も。
音による「みる」を感じました。
最後に、ダンスユニット「点々」さんによる、身体表現(ダンス)での「みる」を鑑賞。
「作品を鑑賞した時のイメージと同じだった」「どちらが作品か、わからなくなる錯覚があった」
「動きや気配に圧倒された。無垢な生き物で、色々なものに反応しているようだった」
との感想が出た。また、鑑賞者参加型パフォーマンスも。
4分間、パフォーマーがマネキンのようにされるがままに身体をうごかされ、それを鑑賞者全員でスケッチ。
どんどん変わる身体の形をかきとめながら
「好きな部分にしぼられていった」「だんだん記憶で描いている自分に気づいた」
などの感想が。
様々な「みる」を「みる」を体験し、レセプションは終了。
作家、パフォーマー、鑑賞者全員が「みる」を表現する場となりました。
作品をみるだけでなく、だれかの「みる」を通して作品を「みる」。
「みる」を通して、その場に居合わせなかった人のコミュニケーションが生まれたり、
共感が生まれたり、驚きが生まれたりしました。
そして、それによって作品に様々な表情と、そのまわりに沢山の気配が生まれました。
美術は、「つくる」人だけが主役じゃない。「みる」人がいなければ作品は生きず、
どんなふうに「みる」を伝えるのか、も作品をつくる一つのファクターであると実感しました。
「みる」をつくってくださった方々、「みる」をみてくださった方々、そしてこれをまた見て下さった方。
展覧会を応援して下さった全ての方々に深く御礼申し上げます。
ありがとうございました。
「みるをみる!Ⅱ」コーディネーター 山口愛