5750分展初日+美術座談会報告

・KAPL2009年8月の企画展『5750分―生き残れ!美術教育―』展の初日のレポートです。

中学校美術の時間である5750分(約4日)の会期が始まりました。

現役の中学校美術教師がこの時間を使って作品を制作します。





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自分の制作だけでなく、現場で行っている美術の授業の実践をもちより生徒の作品も展示しました。


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15時からは、中学校と高校の美術教員、絵画教室の先生、学生が集まり、美術交流会が行われました。


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「平成24年度からの新しい学習指導要領で、「選択美術」がなくなるため、生徒が「美術」を学ぶ時間は、5750分(約4日)のみとなりました。

美術の時間が増えれば美術の問題が解決するとは思いませんが、この時間は十分ではないと思います。」

と現在の中学校の現状を切り口に話し合いが始まりました。

今回、話し合うテーマを決めずに、ざっくばらんに現場のことや日頃考えていることを発言してもらうフリートークの形式をとりました。


主に話された内容を箇条書きで紹介します。


●初めに自己紹介を行い、その中で今回の取り組みについての意見がだされた。


A:教育センターが主催などの研修会では、こうして先生方と顔を合わせる機会があるが、その時はそれぞれの立場の主張が多く出てしまうため個人で発言することは難しい。この取り組みのこういった場は、個人で発言することが出来る貴重な場ではないか。

B:中学校、高校の情報交換ができる場所はそう多くない。この場でいろいろ学びたい。


AとBは高校の先生からの発言。中学校と高校の先生同士のネットワークは実はあまり深いものではなく、実践の交換などを行う機会も非常に少ない。そんな中で、教員が自発的にこうした場を設けて動いていく必要を強く実感した。


●その次に大きな話し合いの柱になったのは、「美術教育の問題」についての話題。


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A:高校では「音楽・美術・書道」の芸術科目の教員が全ていない学校が多くなり、芸術教育がじっくり行われない現状がある。中学校でも同じような現状があり、これでは難しい。

B:生徒が美術を学んで役に立った、自分についた力を明確に出来ていないのではないか。

C:美術科の学力とは何か明確に伝えにくい。成果主義の中で美術科はその力を示しにくい。

D:夏休みに出した宿題で、ある三年生に、「美術科は受験科目ではないから、勉強する必要がない、美術の宿題をやる暇はないのだ」と生徒に言われたことがある。美術教育は全ての教科にまたがるものだがその実感を得て取り組んでいる生徒は少ない。   等、


中学校の現状、高校の現状から問題点が指摘された。この中で特に共通してる問題点として、「美術科の学力とは何か」明確に生徒、さらには大人の人たちに実感を持って伝えきれていない点ではないかと感じた。


●次に話題は「美術教育で出来ること」に移っていく。

ここでは、展示された生徒たちの作品から、授業の意図などを含めた紹介も行った。








A:美術教育は美術のファンをつくることが大切。制作だけでなく、作品をみて楽しむことも美術。芸術に気軽に携われる大人にしたい。

B:他との学問とのつながりに気づくことを美術を通して実感してほしい。

C:応用力や先を見通して行動ができるようになる力は美術を通して育てられる。

D:子どもそれぞれの発達段階に応じて教師の戦略的な学びを考えてく必要がある。各校の連携ができるのも美術ならでは。

E:作品を完成させきる力は、どんな活動にも必要な力である。

F:美術は個人制作だけでなく、グループワークやその他のさまざまな形態を教師側が工夫することで設定できる。さまざまな学びの方法を考えることが出来るもの美術教育ならでは。

G:活動の中で、生徒をほめる場面が数多くある。


たくさんの意見が出された中で、やはり「美術でできること」や「美術を通してできたこと」をもっとより明確で実感できるような工夫を教員は考え、伝えなくてはならないと感じました。

当初話し合いの時間は2時間だったのにも関わらず、話がヒートアップして最終的に3時間半の交流会になりました。この繋がりを大切に第二回三回へと発展出来たらよいと思います。


その後、制作は公開制作終了時刻の21時まで続けられました。



明日も公開制作で作品が進んでいきます。ぜひご覧ください。




最後に、本日はお忙しい中、「美術交流会」に参加していただいた方に深く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



                                        KAPL代表:浅見俊哉




以下は展覧会案内です。




KAPL今月は、『5750分』展と題しまして「美術教育の時間」に焦点を当てた展覧会を行います。


テーマは「アートミッション#1
5750分展―生き残れ!美術教育!―



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今日、中学校の中で行われている「美術」の時間は「5750分(約4日間)」です。

決して十分とは言えないその時間を使い、現役美術教員が丸4日間作品制作に取り組みます。


新しい指導要領から選択教科で美術も消えてしまうので特別なことがなければこの時間が義務教育の美術の時間のすべてです。

果たして、この時間は多いのか少ないのか、この時間で、一体何を生み出すことが出来るのか?アクションを起こします!

今回、いつも生徒に与えている美術の時間をまとめて3年間分、教師である自分自身がくらってみる企画です。

合わせて、

自分自身の日々の授業実践を白日のもとにさらし、お互いの実践を共有する企画。

必修と選択、中高美術教育を考える企画(進行:埼玉県立越谷南高校:田中教諭)。

一般の人も交えたお茶を飲みながら美術教育について話し合う「お茶の間美術談義」。

やりっぱなしにならないよう、報告会も企画しました。

ぜひ、皆さまお誘い合わせのうえ、会場にご来場いただき、熱い焚き木を焼べに来てください。


 さらに、今後美術の時間をより充実させる為には、美術教育の価値や問題点についての意見交換やネットワークづくりが必要です。

13日には、埼玉県立近代美術館で今回の展覧会の報告会を行い、さまざまな方との協議の場も設けたいと思います。真夏に負けない熱さを持った企画を通して「美術」を再考できる機会になれば幸いです。


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会期:2009.8/8(土)・9(日)・10(月)・11(火)

公開制作日時(ご来場頂ける時間です): 9:00-21:00 (10日は18:00-21:00)

会場:KAPL(コシガヤアートポイントラボ)

料金:入場無料

展覧会関連イベント:

○美術教育について話そう!
 2009.8.8 (土) 15:00~17:00
 進行:田中康裕(埼玉県立越谷南高校)+作品制作者


○「5750分展」活動報告会
2009.8.13 (木) 14:00~16:00
場所:埼玉県立近代美術館二階講堂
   (JR京浜東北線北浦和駅西口下車徒歩3分)

http://www.momas.jp/

作品制作者:
廿楽 紘子(春日部市立武里中学校)
柴 直子(鳩ケ谷市立鳩ケ谷中学校)
島田 温子(加須市立加須西中学校)
浅見 俊哉(八潮市立八條中学校)



どうぞよろしくお願いいたします。
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by kapl | 2009-08-09 01:36 | 2009.8月の企画

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