「KAPLーPLAYERS OATH EXHIBITIONー」展レポート<後半!>
をお伝えします!
廿楽 紘子 「想」
今まで自分の為に作品を描いてきた作者が、人に贈る作品として、自分の相手への思いを重ねながら描いてりる作品の下絵です。作品への愛着や深まりを感じながら描いていると話してくれました。現在、日本画の作品を制作している最中だそうです。
服部 真理子 「あそびを考える展(案)」
これまでKAPLが行ってきた
「初笑い展」や
「らくがき展」などの企画からヒントを得て、KAPLに来てくれた人と今後の楽しい場作りを考えたいという作品です。たくさんのアイデアを来場者の方から頂きました。もしかしてあなたの企画が今後KAPLで実現するかも!?
原田 健太郎 「They were Photographs.」
3年間作品を制作していなかったという作者が、今回選手宣誓として、これからまた作品を作り続ける決心を語ってくれました。赤外線フィルタと通して撮影した作品は、人間の目で見た色の世界とは異なり、違和感のある印象。写真と写真でないものの狭間について、疑問を持って制作した作品です。
柳原 敬 「beyond the beyond」
旅が大好きな作者は、教科書やガイドブックをみているだけでは知り得ない、目的地で生の体験を旅を続けているそうです。空から大地にかけてを写真の並びで表現しました。レセプションでは、小学校の時に地図旅行クラブに入っており、地図を見ながら目的地までの距離を図り、計算した時間で本当にいけるのか試していたという作者の原点の話になり、大変盛り上がりました。
山口 愛 ①「水と土の呼ぶ声」 ②「WA!~フリップブック~」③「WA!~フェナキストコープ~」
①
KAPLにて行われた「水と土の呼ぶ声」に展示した作品を再構成した作品です。新潟の故郷に強く引かれる感覚を漫画で表現しました。レセプションでは、自画像的な作品の持つ意味合いや、当時主人公に自分の名前をつけたことで前回の展示では感じなかった違和感等について語り合いました。
②③アニメーションに強い感心のある作者が制作した動く絵の原点。自分の手でアニメーションを動かす楽しさを味わえる作品です。
渡邉 範久 「Gulliver's map」
建築が専門の作者の考えるワークショップの企画を案として展示しました。バルセロナ・ベネチア・パリ・新宿の地図の上に参加者が紙粘土で建築物を作っていきました。レセプションでは、「地図は、コミュニケーションの道具になる」と語ってくれました。今後、さらにブラッシュアップして提案してくれると思います。来場者の方が一番時間をかけて、体験してくれました。
また、来場者の方には、コンセプトブックを配布しました。
レセプションでは、お酒や食事をしながら、一人ひとりが作品について語り、質疑応答を行いました。
ラボラトリーらしい実験的な作品も多く、感想だけではなく、アドバイスも飛び交うのがKAPLらしい雰囲気でした。
来場者の方の感想を紹介します。
・自分を表現する為の手法が様々であることに驚きました。特に山口さん漫画の作品に心うたれました。ギャラリーに洋服が置いてあることに一番驚きました。
・作品を制作した方の話を直接聞く機会が初めてだったので、分からなかったことが色々分かりました。自分の質問に直接答えてくれたことが嬉しかったです。
・KAPLメンバーの変わらない姿にお会いできて嬉しかったです。
・KAPLメンバーの作品のベクトルがそれぞれ違っていたのが面白いと感じました。おかげで、慣れてない自分でも「まずは興味を持ったものをとっかかりに観て行く」という流れが自然にでき、すんなり展示に入っていくことが出来ました。また、作品を通じ「自分は今どういうことに興味があるか」を浮き彫りに出来た部分もありました。今の自分はどういった作品により心を打たれるか、ということを考えながら作品を見ていくと、普段あまり意識しない部分での自分の思いがあぶり出されるような感覚があり、皆さんの作品でありながら自分への鏡のようにも思えました。これも皆さんの作品の幅の広さと、作者のかたといろいろ話せる距離感によるところが大きいのではないかと思いました。
展示後のメンバーのまとめとして、
・作品の見せ方の勉強会を行うべじゃないか。また、作品を事前に持ちより、コンセプトの共有をしながら、批評会などを行うなども検討したい。
・作品の統一感はなかったが、それぞれの「選手宣誓」にはなったのではないか。
・メンバーの作品と来場者との関わりをみて、作品(アート)が自分と体験の間にある時、今まで深く理解することができなかったことが、楽に理解できる瞬間があった。
(ex:旅好きなメンバーが、小学生の時から地図の尺の計算をして旅をしていたという話、料理をすることで制作への欲求がみたされる話など。)作品を鑑賞しながら、批評を行うことで、作品を通した意識の変換が行われた。
・KAPL(コシガヤアートポイントラボラトリー)の展示の中でも、実験的な作品が多く、今までで一番ラボラトリーらしい展示になり、発見の多い1日となった。
この再スタートを期に、KAPLとしてまた皆さまとワクワクを共有したいと思っています。
どうぞ、よろしくお願いします。
記事:鈴木